第100回「涙活(るいかつ)」(2015.12.8掲載)

みなさん、こんにちは。株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。

今回は「涙を流す」ことによってストレスを解消する「涙活」についてお話しします。涙活プロデューサーの寺井広樹氏の著書「泣く技術 一瞬でストレスを解消する涙活入門」には以下のように書かれています。

「涙活」とは自分から能動的に涙を流すことで心の解毒(デトックス)を図る活動のことです。涙には種類があります。まずは、目を保護するために、まばたきするたびに出る「基礎分泌の涙」です。次に、目にゴミが入ったときや玉ネギを切ったときに、異物を外に出そうとして流れる「反射の涙」です。そして、脳がストレスを感じたことによって流す「情動の涙」です。「情動の涙」には、悲しい、苦しい、悔しいなど、自分の感情を表現する「悔し涙や悲しみの涙」と他者への共感から生まれる「感動の涙」があります。そして、この「感動の涙」こそ「涙活」に一番適している涙なのです。

人間は泣きながら生まれてきます。でも、そのときは実際に涙を流しているわけではありません。私たちが涙を流すようになるのは1歳ぐらいになってからです。泣くことで親や周囲の人に自分のストレスを処理してもらおうとします。ところが、成長してくると泣く代わりに「言葉」というコミュニケーション手段で相手に自分のストレスを伝えるようになり、泣くことが抑えられていきます。その後、ケンカで負けたり、好きな人にフラれたり、親に叱られたりしたときに、自分の感情が抑えられなくなって「悔し涙や悲しみの涙」を流すことを経験していきます。そして、大人になって流す涙が「感動の涙」です。この涙は幼い子どもが流すことはありません。自分が「悔し涙や悲しみの涙」を流す経験をして、それによって他人の気持ちが想像できるようになり、他人に共感できるようになってから、映画やドラマを見たり、スポーツ選手の頑張っている姿を見て、初めて「感動の涙」を流すことができるのです。

ちなみに、ウミガメが産卵するときに涙を流すのは苦しさではなく、飲み込んだ海水に含まれる塩分を外に出して、血液中の成分のバランスを取ろうとしているのだそうです。それを見て「産卵はつらいんだな」とか「子供たちの未来を思って泣いているのかな」と思って、自分がウミガメに共感して涙を流したとすれば、それが「感動の涙」です。

涙の原料は血液です。他者への共感からの「感動の涙」を流す前に、おでこのあたりが熱く腫れたような感じがするのは、脳がストレスを感じることで「共感脳」といわれる前頭前野部分に血液が集まってきているからです。大人はこの共感脳が発達しているから、相手の感情を察することができるし、自分も一緒にその感情を味わうことができます。そして、共感脳が興奮することでその血液が涙となって流れ、ストレスを解消することができるのです。

笑うことでもストレス解消になりますが、泣くほうが笑うよりも血液量の変化が大きく、ストレス解消の効果が高いそうです。ただ、泣くほうが笑うよりも記憶を引っ張り出す時間が必要となるため、笑うよりもハードルが高いようです。だから、日々笑いでストレスを解消しながら、週一回ほど思いきり泣いてスッキリして、ストレスを解消していくのが効果的なようです。

みなさんもまずは泣くことに集中できる「一人涙活」からスタートしましょう。一人の部屋で誰にも見られない環境で、涙を拭きとるためのハンカチやティッシュペーパーと水分補給のための「お水」などを用意します。あとは泣ける映画や動画を見て、思い切り涙を流してみましょう。きっと気分がスッキリして、明日の仕事の活力が生まれてくると思いますよ。

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