2021春闘3.5総決起集会

情報労連は、3月5日、東京・全電通労働会館において「2021春闘3.5総決起集会」を開催し、オンライン参加を含め全国から約1,400名が参加した。

はじめに、主催者を代表して野田中央闘争委員長は、以下の趣旨で挨拶した。

コロナ禍の中で闘う「2021春季生活闘争」。春闘方針で確認したスローガンのポイントは、「支え合う 暮らしやすい社会の実現」であり、今次春闘の位置づけは、「総合生活改善闘争」である。「賃金改善」はもとより、私たちの「労働」や「生活」に関わる様々な要求・課題について、①労使が「春闘」という土俵に上がる。②労使が真摯に論議し、課題認識を共有する。③労使が互いの責任において結論を出すことが大切だ。「コロナ禍」という「非常事態」、取り巻く厳しい現状を踏まえれば、例年にも増して「重要な春の闘い」であり、大げさではなく、「未来を切り拓く春闘」である。情報労連の総力を挙げた取り組みを進めていく。

(2)防災・減災について

先行組合が交渉を強化する中、一週間後には、「東日本大震災」から10年目となる、「3.11・鎮魂の日」を迎える。既に多くのメディアが特集を組む中で、10年前の「惨劇」や「教訓」、そして、これまでの復興の道のりを報じている。

「発災から10年」、「時の流れ」に対する受け止めは、人それぞれである。ある番組での「今後、何を望むか?」との問いかけに対し、一言「風化させないでほしい」と言われた「南三陸町の佐藤町長」のコメントが印象的であった。

先月13日には東日本大震災の余震といわれるマグニチュード7.3、震度6強の地震が発生。その後も余震の余震が継続している。

本日、ニュージーランドでも、マグニチュード8を超える大地震も発生した。

今一度、被災地に寄り添うとともに、自戒の念を込めて、「職場や家庭」、「組織や個々人」一人ひとりの防災・減災に対する「備え」について考える。そんな「機会」にしたい。

(3)「新型コロナウイルス」への対応について

今次感染症の猛威は、情報労連傘下の加盟組合に対置する企業においても、深刻な影響を及ぼしている。「事業の縮小」や「一時休業」等を強いられる中、「未だ展望が見出せない厳しい現実」に直面しているところも多々ある。

このような中で、情報労連は、感染の拡大が表面化した昨年2月以降、①公的支援の情報提供や申請にむけたサポート②加盟組合に対する財政支援③医療・福祉分野の加盟組合に対する医療物資の送付④企業が提供する商品等の販売支援――等に取り組んできた。引き続き、各組織と連携を密に、産別組織として、出来る限りの支援を継続していく。本日は、後ほど、医療現場からの報告を受ける。コロナ禍の最前線で懸命に頑張って頂いているすべての皆さんに、あらためての敬意と感謝、そしてエールを送りたい。

(4)「情報労連の春闘」について

現在の進捗状況は、昨年並みの進捗状況であり、「自主交渉・自主決着」に基づく交渉の徹底強化とともに、コロナ禍という状況下での「春闘交渉の見える化」を含め、全組合員が一丸となる創意・工夫した取り組みを要請する。

とりわけ、連合が設定した「第一先行組合の回答ゾーン(3月15日~19日)での決着をめざす「先行組合」には、その後に続く、中小組合における交渉の厳しさが想定されるだけに、「春闘全体の流れをつくる」、その役割を、是非、果たしてもらいたい。

加えて、今次春闘は、「労働関連法制」の改正や、判例等を踏まえた各種労働条件の精査等、労使の責任において「見直し」が求められる春闘である。特に、『同一労働・同一賃金』については、「最高裁」の判決をも踏まえ、各加盟組合は、当該企業の現行制度を早急に精査した上で、必要な見直し・改善を要請する。

(5)最後に

「コロナ禍という事態」の中、「労使間のミクロの交渉が容易でないこと」は、重々承知するが、20年来の「賃金の下落」と「雇用の劣化」が、日本経済における「自律的成長」を阻害してきた大きな要因であったことは明らかである。

「Afterコロナ」をも展望した時に、私たちが、「2014春闘」以来、追及してきた「賃金の引上げ」、「底上げ」「底支え」「分配構造の転換」の取り組みは常道であり、「個人消費を喚起」し、「内需を拡大」を図るための、社会的要請に基づく「重要なデフレ対策」「重要な経済対策」である。

「無形の資産」が利益を生む時代であり、「人への投資を含めた人材戦略」が「最大の経営戦略」とも言われる時代だ。各組織は最後の最後まで、「原要求」に拘って、「粘り強い」交渉を展開する。「組合員の期待」に応え、「社会の要請」に応える。そんな、今次春闘の取り組みにしよう。

その後、加盟組合を代表し、①NTT労組・中野交渉政策部長、②通建連合 日本コムシス労組・田中書記長、③日本電業工作労組・星川委員長、④近畿電機労組・原田委員長より、情報労連の方針を踏まえた単組の今春闘の要求内容と実現に向けた決意が表明された。

続いて、全済生会労組前橋支部 島田委員長からコロナ禍における医療現場の現状や課題について、報告があり、情報労連の仲間から寄せられた「医療・福祉・介護の現場で働く仲間への応援メッセージ」動画を放映した。

続いて、情報労連組織内議員の石橋みちひろ参議院議員より、激励と連帯の挨拶、直近の国会情勢報告とともに、来夏行われる参議院選挙への決意表明があった。

最後に、春闘アピールが採択され、2021春季生活闘争をともに闘い抜くことを全体で確認し合い、北野中央闘争書記長の先唱による『団結ガンバロー』で集会を閉会した。

集会でご紹介しきれなかった「医療・福祉・介護の現場で働く仲間への応援メッセージ」は下記のリンクからご覧いただけます。

https://www.joho.or.jp/welfare/7461-7461

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