第104回「ゲームズマン」(2016.4.12掲載)

みなさん、こんにちは。株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。

4月に入り、いよいよプロ野球も開幕しました。シーズンに入ると、以前はよくプロ野球中継を見ていましたが、最近は仕事の都合もあり、あまり中継を見る機会が減りました。しかし、逆に夜10時過ぎのスポーツニュースはよく見るようになりました。

私がニュースで楽しみにしているのが(プロ野球以外でもそうですが)、試合後のヒーローインタビューです。試合で活躍した選手が「お立ち台」の上でいろいろなコメントをしますが、選手によってさまざまなコメントを聞くことができ、しかもそれぞれがとてもポジティブな言葉が多く、自分自身が元気づけられます。たとえば…

(1) 試合を完封したそのチームのエースピッチャーの「私が失点しなければ負けることはないので、全部のバッターを打ち取ってやるという強い気持ちで投げました」という闘志あふれるコメント
(2) 得点のチャンスで逆転となるヒットを打った代打専門のベテランバッターの「私の与えられた使命はこのような場面でヒットを打つことで、私は自分の仕事をしたまでです」というカッコいいコメント
(3) 記念すべき100号ホールランを打ったバッターの「100本打てたのはチームのみんなのおかげで、私のホームランよりチームが勝ったことがうれしいです」というチームのことを大切に思うコメント
(4) 1点差で勝っている試合でセーブを挙げた抑え専門のピッチャーの「1点差という緊張感を楽しみました…今日の試合はとても楽しかったです」というワクワクするようなコメント

ハーバード大学でリーダーシップの研究をしていた心理学者のマイケル・マコビーは、仕事のタイプを4つに分類しました。(「ゲームズマン―新しいビジネスエリート」マイケル・マコビー 著、広瀬 英彦 訳、ダイヤモンド社)

1:ジャングルファイター
権力志向が強く、自分の業績や出世のためには何でもやる人。勝つか負けるかを好み、仕事を「闘い」と捉えているタイプです。プロ野球選手でいえば、さきほどの①のタイプでしょうか。
2:クラフツマン
自分の専門分野や関心のある仕事には努力し、すぐれた能力を発揮しますが、それ以外のことには興味を示そうとしない人。職人気質のスペシャリストタイプです。プロ野球選手でいえば、②のタイプです。
3:カンパニーマン
仕事のために自分の人生を捧げる一昔前の日本のサラリーマンで、要は会社人間です。家族よりも仕事の仲間を大切にし、仕事だけに人生の価値を見出すようなタイプです。プロ野球選手でいえば、③のタイプです。
4:ゲームズマン
収入や地位や名誉ではなく、仕事そのものを楽しみ、成功の喜びを味わうための人。成功までの課程を一種のゲームと捉えて、そのゲームに興味がなくなれば次のゲームを探すというタイプです。プロ野球選手では、④のタイプです。

仕事上の人間関係や目標達成へのプレッシャーなどのストレスをあまり感じずに働くためには「ゲームズマン」が理想的だと思いますが、みなさんはどのタイプでしょうか。いずれにしても、ビジネスマンが仕事で大切にしなければいけないことは、プロ野球のヒーローインタビューでほとんどの選手が言う「ファンのみなさんのおかげで勝つことができたので、これからも応援お願いします」という言葉。つまり、自分がどのタイプであっても、自分一人の力だけでは仕事ができないことを自覚すること、そして自分の仕事を応援してくれる周りの人に対する感謝する気持ちですね。

関連記事はこちら