第48回『サーカディアンリズム』

みなさん、こんにちは。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。
今回もみなさんのストレスケアに活かせる「こころの健康」に関するお話をご紹介していきます。

私たちの身体には「体内時計」という活動と休息のリズムがあります。
朝、太陽が昇ると身体が活動的になり、太陽が沈む夜になると休息モードになります。
これは、自律神経をはじめとした多くの身体の機能が1日のリズムを持っているからです。
人間のこの「体内時計」のリズムを「サーカディアンリズム」といいます。
このリズムが人間をコントロールしているために、人は朝起き、夜寝るのです。
夜更かしや不規則な食事、運動不足、などのサーカディアンリズムを無視した生活は自律神経やホルモンのバランスを乱し、身体の不調を起こしやすい状態にします。

また、サーカディアンリズムは私たちの「睡眠」にも深く関わっています。
仮に人間にとっての最適な睡眠時間が6時間だとします。
もしも、睡眠がただの休息であるのなら、その日の好きな時間や場面で睡眠を取っていればいいでしょう。
ところが、真の睡眠とは「1日のうち、どこかで6時間睡眠をとればいい」というわけではありません。
体内時計に逆らって、昼間にどれだけ睡眠という活動を行なおうと、きちんと効果を出してくれません。
サーカディアンリズムは太陽の光などの自然のリズム、睡眠覚醒などの生体リズム、食事や仕事などの社会的リズムの3つが揃ってはじめて常に恒常性が保たれているのです。

さて、サーカディアンリズムは人の24時間のリズムをコントロールしていますが、実は約25時間周期で動いています。
そうすると、1日に1時間のズレが生じてきます。
それが重なってくると、朝眠くなって、夜起きるような現象も起こってくるはずです。
人がなぜそうならないかというと、朝、太陽の光を浴びることによって25時間周期のリズムを24時間にリセットしているのです。
目から太陽光線が入ると、眠る2時間前くらいに睡眠を促す「メラトニン」という入眠ホルモンを脳の松果体から分泌し始めるようにセットするのです。
逆にいうと、太陽の光を浴びておかないと、夜になってもメラトニンが十分に分泌されず、寝つきが悪くなったり、質のよい睡眠が得られなくなってしまうのです。

また、メラトニンには老化防止やうつ病の改善にも効果があるといわれています。
「最近、ちょっぴり憂鬱(ゆううつ)な気分だ」という人は、太陽光線不足を疑ってみる必要がありそうです。
嫌なことがあって、気分が落ち込んだ夜は「ふて寝」でもいいから早くベッドに入り、翌日早起きして、たっぷり太陽の光を浴びるといいでしょう。
たとえ前の晩、午前3時に寝ても、いつも8時に起きているのなら、思い切ってベッドから出てたっぷり太陽の光を浴びるようにしてみましょう。
その日は眠いかもしれませんが、サーカディアンリズムはリセットされ、身体の調子を良い状態に保つことになるでしょう。

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