第112回「アンガーマネジメント(7)」(2016.9.13掲載)

みなさん、こんにちは。株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。今回もイライラや怒りをうまくコントロールしてストレスを軽減する「アンガーマネジメント」についてお話ししていきます。

まずは「怒りのボキャブラリーゲーム」をやってみましょう。これは、私がアンガーマネジメント講座で受講者にやっていただくゲームで、自分が怒りのボキャブラリー(語彙)をいくつ書けるかを調べます。今から「3分間」で怒りに関する言葉や熟語やことわざなどをできるだけ多く書いてください。ヨーイ、スタート!

さて、いくつ書くことができたでしょうか。20個以上書けた方は怒りのボキャブラリーが多い人です。10個以上だった方はそこそこ怒りのボキャブラリーを持っている人です。10個未満だった方は怒りのボキャブラリーが少ない人です。

この「怒りのボキャブラリーゲーム」は怒りの表現をいかに多く持っているかを調べるテストです。一口に「怒り」と言っても、怒りを表すボキャブラリーは数多くあります。怒りの感情を上手にコントロールするためには、腹が立ったときに自分がどの程度の怒りの強さを感じているのかを的確にとらえることが大切です。怒りには、軽くイラッとする小さな怒りから頭に血がのぼり体が震えるほどの大きな怒りまで幅が広いのです。「怒り」を表す言葉を2~3個しか知らなければ、幅のある自分の怒りに対して「だいたい」にしかとらえることが出来ません。しかし、「怒り」を表す言葉を多く知っていれば、その都度、自分の怒りの強さを言葉で的確にとらえることができ、自分の怒りに上手に対処することが可能となります。

最近の若い人がすぐに怒りを爆発させやすいのは、怒りのボキャブラリーが少ないからだと思われます。若い人が使う怒りの言葉といえば「キレる」です。本来は怒りの表現には多様なものがあるにも関わらず、「キレる」という言葉しか知らないと「キレる」か「キレない」かの二者択一になってしまい、ちょっとしたことでもキレてしまうというわけです。

怒りの感情をコントロールしにくいのは、重さや長さのように「どのくらい怒っているか」を表す尺度がないことが要因のひとつです。以前お話しした「スケールテクニック」は怒りに1℃から10℃までの温度をつけて、怒りを10段階にレベル分けをする手法でした。これに合わせて、怒りのボキャブラリーもレベル分けをしてみてください。例えば「ふくれる、反感、ご機嫌ななめ」は1℃から3℃の弱い怒り、「目を吊り上げる、立腹、イライラする」は4℃から6℃の中くらいの怒り、「青筋を立てる、激怒、逆上する」は7℃から9℃の強い怒り…のようにレベル分けをするのです。

また、怒りのボキャブラリーを増やすことは、何か出来事が起こったときに自分の怒りがどれくらいの度合いなのかを的確にとらえ、自分の怒りの気持ちを相手に伝えるときや相手の怒りの気持ちをくみ取りながら聴くときにも役立ちます。みなさんも怒りを表現するボキャブラリーを増やしましょう。

関連記事はこちら