全ベルコ労組の裁判闘争 札幌高裁で和解が成立 報告集会を開く

 

情報労連に加盟する全ベルコ労働組合の組合員が会社を相手に起こした裁判で1月26日、札幌高裁で和解が成立しました。

 裁判は、冠婚葬祭大手「ベルコ」の代理店で労働組合を結成しようとした従業員2人が実質解雇され、地位確認などを求めてベルコ本社を相手に起こしたもの。和解では、原告2人の職場復帰が決まるとともに、ベルコ本社が、雇用が終了した翌日以降から和解日までの約7年間のバックペイ相当額の支払うことなどで合意しました。

 連合や情報労連、全ベルコ労働組合、弁護団などは同日、和解成立の報告集会を開催しました。

 あいさつした連合の山根木副事務局長は、「全面勝利と言って過言ではない和解。和解条項の前文に不当労働行為が認められた北海道労働委員会での命令を前提とするという文言が入ったことは特に重要なポイントだと受け止めている。懸命に闘ってきた高橋委員長や豊田書記長に心からの敬意とねぎらいを申し上げたい」と述べました。

 また、山根木副事務局長は、本来であれば雇用労働者として保護されるはずなのに、業務委託契約が濫用された結果、受けられるはずの保護を受けられない就労者が増えている問題を指摘。その上で、「今回の和解は大きな勇気を与えてくれた。業務委託契約のらん用による使用者責任逃れは許さないという世論をしっかり広げていきたい」と強調しました。

 さらに、ベルコで健全な労使関係をつくるために、並行して進んでいる中央労働委員会での和解協議に今回の結果をつなげていきたいと決意を述べました。

 続いて、弁護団の棗弁護士が裁判の経過や和解内容などについて報告しました。棗弁護士は、不当労働行為を認めた北海道労働委員会の命令が和解の前提となっている点が重要だと解説するとともに、中央労働委員会での和解につなげていきたいなどと述べました。

 続いて、全ベルコ労働組合の高橋委員長があいさつし、「初めに労働相談をしてから今日まで7年半。長かったが何とか和解にたどり着けたのも、連合や情報労連、弁護団の皆さんのおかげで心から感謝申し上げたい。ここまでこれたのは仲間とともに労働組合を作ったからだと強く思っている。中央労働委員会での和解協議がまだ残っているが、会社と協議を重ねて健全な労使関係を築き、職場環境の改善に力を入れていきたい」と決意を述べました。

 次に情報労連の北野書記長があいさつし、「大事なことは、ベルコ社が当事者として今後の労使協議に応じ、健全な労使関係を築くことにある。そのための組織基盤の強化に向けて、情報労連としても全力で支援をしていきたい」などと述べました。

 連合北海道の杉山会長は、「労働組合の役割は一人でも多くの未組織労働者を集団的労使関係によって守り、支えること。社会に広がりのある運動を強力に発信し、社会的な影響力を発揮していきたい」と述べました。

 情報労連は、ベルコ社において健全な労使関係を構築するために、今後も全ベルコ労働組合の活動を全面的に支援していきます。

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