労働安全衛生強化月間特別企画 第2回『慢心』

「慢心」という感情があります。これはやっかいです。
「慢心」が事故につながることは、誰もがイメージがつくと思います。
事故防止のためにはあってはならない感情です。

嬉しくて有頂天になり、舞い上がってしまった経験はありませんか。
感情が高まり(高揚)すぎると、足元が見えなくなり、とても危険な状態になります。
忘れ物や落し物をするのは、疲れで集中力が欠けるときだけではありません。

実は、給料日やその直後に物を失くしたり、落としたり、大切な物を壊したりしていることをご存知ですか。
「よ~し今日は給料日だ!遊びに行くぞ!」と、気持ちが舞い上がってしまい、うっかり財布を忘れたり、落としたり、失くしたり、コンタクトレンズを落としたり、愛車をこすったり、ぶつけたり、ストッキングをひっかけたり、こんな日に限って駐車違反をしたり、普段は一次会で終る飲み会も二次会、三次会にへ、三千円で止めとけばいいパチンコもいつの間にか一万円に、衝動買いもそうです。
給料日に限って突然の出費が・・・というご経験はないでしょうか。
その原因こそが、「慢心」です。
給料日、お金がある、なんでも買える、どーんとこい!この感情が、気持ちを大きくさせ、舞い上がらせ、油断を招きます。
舞い上がった感情は、目を曇らせ足元を見えなくします。
事故防止には絶対に許されない感情状態、それが「慢心」です。

航空管制官の方と、お話をする機会がありました。
感情の状態でレーダーの見え方が違うというのです。
天気も良く、気分爽快なときほどレーダーに集中しづらいそうです。
一方、悲惨な過去の事故を思い出し、悲しみや後悔の気分のときはレーダーに集中できるそうです。
もしもの事故を想定し、その悲惨な状況が脳裏に過ぎることで、安全に対する集中力が増すのだと思います。
そう、悲しい気持ちは安全にとって、とても大切な感情です。
そこで、簡単にできるEQ開発をご紹介します。

集中するための、「悲しい気持ちのつくり方」です。
○一日一回クヨクヨしよう
お風呂に入って今日あったことを振り返り、いちいちクヨクヨしてください。
楽しいことばかりあった日でも、「こんな日は長く続くわけがない」と、クヨクヨしてください。
クヨクヨしたら、その気持ちを感じてください。
クヨクヨ気分が、集中力に必要な悲しい感情に変化していきます。
これができるようになれば、安全性を求められるときに、いつでも悲しい感情がつくれるようになります。
「慢心」はクヨクヨ気分で退治できます。

自分に都合よく考える人や自分中心に地球は回っているという方、超前向きな方、同じ失敗を何度でも繰り返し、学習能力に問題があるなあと思われる方は「慢心」予備軍ともいえます。
ぜひ皆さまもお試しあれ!

「クヨクヨ気分」は成長の源です。
、頑張ればいいじゃないですか。
きっと次は上手くいきますから。

クヨクヨ気分は重要な感情だと思います。
二度とこんな辛い思いはしたくない・・・
そんなクヨクヨ気分が次は頑張ろう!の、エネルギーに変わるからです。

EQグローバルアライアンス 高山 直EQグローバルアライアンス 高山 直
個人のやる気や情熱、「志」などの潜在的な能力や可能性が、学歴に関係なく、公正、公平に判断される社会の創造を目指して、1997年株式会社イー・キュー・ジャパンを設立。
2010年7月、EQグローバルアライアンスを設立。 EQ理論提唱者のイェール大学ピーター・サロベイ博士、ニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士との共同研究で「EQ理論」に基づいた「個人の自立と成長を支援する」プログラムを開発。

高山直のブログ「左の振り子」はこちらから
http://eq.armg.jp/nao/

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