第62回『深夜食堂』

みなさん、こんにちは。株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。今回は「深夜食堂」という漫画をご紹介します。

一日が終わり、人々が家路へと急ぐころ、俺の一日ははじまる。
メニューはこれだけ。豚汁定食、ビール、酒、焼酎。
あとは勝手に注文してくれりゃ
「できるものなら作るよ」ってのが俺の営業方針さ。
営業時間は夜12時から朝7時ごろまで。
人は「深夜食堂」って言ってるよ。
客が来るかって?それが、けっこう来るんだよ・・・。

こんな台詞ではじまる漫画「深夜食堂」は2006年10月から小学館発行の漫画雑誌「ビッグコミックオリジナル」に登場し、連載が続いている人気漫画です。単行本(コミック)も出ています。作者は、小学館新人コミック大賞を受賞した「山本耳かき店」がデビュー作となった安部夜郎(あべやろう)です。

この漫画には、舞台である「深夜食堂」に集うサラリーマンからOL、会社社長、スポーツ選手、落語家、演歌歌手、船乗り、ヤクザのお兄ちゃん、ストリッパーのお姉ちゃん、流しのおじさん、ゲイやニューハーフ、そして無職のおじさんまで、さまざまな人の人間模様が描かれています。毎回、個性的な登場人物がさまざまな悩みやトラブルを抱えて「深夜食堂」に足を踏み入れるのですが、強面で無愛想なその風貌とは似合わないマスターのやさしい人柄と、周りのお客さんとの会話やふれあいによって、店を出るときにはなぜかすがすがしい気分になっている・・・。そんな人生相談所のような存在がこの「深夜食堂」なのです。

また、それらの人間模様とともに、この漫画に深い味わいを出しているのが毎回登場する料理の数々です。赤いウィンナー、猫まんま、お茶漬け、ポテトサラダ、バターライス、カツ丼、タマゴサンドなど、それぞれの料理がただの絵ではなく、まるで本物みたいに実においしそうに登場します。そして、登場人物がその料理を食べるに至ったきっかけや好きな理由などが漫画のストーリーに深みを加えています。

2009年からはTBS系でテレビドラマ化されています。主演(マスター役)は小林薫、舞台は新宿のゴールデン街になっています。テレビを見逃した方は、DVDもすでに発売されていますので、そちらをご覧ください。ドラマでは「小腹もこころも満たします」などのキャッチコピーや音楽などの脚色も加わって、よりいっそう内容が充実しています。

ちょっぴりやさしくて、ちょっぴり悲しくて、そしてちょっぴりこころが暖まる「深夜食堂」・・・お勧めです。ぜひ単行本でもDVDでもでもいいので、一度ご覧ください。少しお腹はすくかもしれませんが、きっと「こころ」が癒されて満たされますよ。

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