第87回「思考停止法」

みなさん、こんにちは。株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。

思考停止法とは
・もう変えることができない過去に起こった嫌な出来事や事実
・「もし~したら」「~できなかったら」という根拠のない心配事
・自分がイメージしているネガティブな思考や不安・恐怖などの感情
などの「考えてもしかたがない」と自覚していることが考えたくないのに頭の中に浮かんできて、いつまでもぐるぐる考えてしまう、いわゆる「ぐるぐる状態」に陥ったときに、その考えやイメージを瞬間的に停止させて安心感やリラックス感を取り戻す方法の一つです。

やり方は簡単です。「ぐるぐる状態」に陥ったときに自分で「ストップ!」といったかけ声をかけるだけです。ただ、かけ声とともにイメージを実際にストップさせて、頭の中を空っぽにするためには練習が必要です。まずはタイマーや時計を用意し、アラームをセットします。時間は1分~3分ぐらいでしょう。セットしたら、目を閉じて自分の囚われているネガティブなイメージで頭を一杯にします。イメージは動画かもしれませんし、音声かもしれません。または文字になっているかもしれません。自分に合ったイメージを頭の中に巡らせます。そして、アラームが鳴った瞬間に「ストップ!」と声に出してください。このとき同時に手を挙げたり立ち上がったりするのも効果があるそうです。また、かけ声は他にも「やめ!」「終了!」「そこまで!」でも結構です。自分で「効果がある」と思うかけ声にしてください。

かけ声とともに頭の中を空っぽにします。頭に浮かんでいるのが動画であれば、テレビの電源を消したときのように頭の中からプツンと画像が消えたイメージです。音声であれば、CDの停止ボタンを押して音が切れたイメージです。文字であれば、パソコンの文章作成や携帯メールで「Delete」や「Clear」ボタンを押して文章や単語が消去されたイメージです。練習をしていくうちに、だんだん頭の中を空っぽにすることが容易になってくると思います。さあ、練習を積んだら次は実践です。

たとえば、あなたが仕事でミスをしてしまい、上司にひどく叱られたという事実があったとします。あなたの頭の中には
・上司に叱られている場面が動画になって目に焼き付いている
・上司に叱られたときの上司の声が耳から離れない
・「またミスしたらどうしよう」という心配な気持ちが浮かぶ
・「自分は仕事ができないダメな人間だ」と思ってしまう
・「もう二度とミスはできない」というこころの緊張状態が続く
というイメージが自動的に浮かんできて「ぐるぐる状態」になるかもしれません。そんなときに「ストップ!」と叫んでみましょう。周りに人がいるのであれば、心の中で「ストップ!」と叫んでください。これを根気よく続ければ、頭の中のイヤな考えやイメージは次第に弱まっていき、ついには気にならなくなるでしょう。

うつ病などになる人には「実際に起こってもいないことを先読みしてしまう」という人が多いのだそうです。自分が「先読みするほうだ」と感じている方はこの思考停止法をお試しください。

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