第96回「孤独力とは」(2015.8.11掲載)

みなさん、こんにちは。株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。

今回は私の大好きな漫画「孤独のグルメ」を紹介します。「孤独のグルメ(原作:久住昌之、作画:谷口ジロー)」は「週刊SPA!」で不定期連載中の漫画で、2012年からはテレビでドラマ化もされています。

主人公は個人で輸入雑貨商を営む中年男の井之頭五郎(いのがしらごろう)で、彼が仕事でいろいろな街を訪れて、一人でフラッと立ち寄った店で食事をします。漫画やドラマでは、彼がただひたすらに食事をするシーンや食事をしたときの彼のこころの描写でストーリーが進んでいきます。一人で好きな食べ物に夢中になっている主人公の井之頭五郎を見ていると、「孤独を目一杯楽しんでいるな」と感じます。このような一人を楽しむ力を「孤独力」といいます。

みなさんは孤独というと何を想像しますか。どちらかというとネガティブなイメージではないでしょうか。「一人で寂しく」、「一人ぼっち」、「仲間外れ」などの言葉が孤独のネガティブなイメージを表しています。しかし、一人でいることが悪いことで、家族や仲間と一緒にいることが良いことかというと、そうではありません。

人は無人島に一人でいるときに孤独を感じるのではなく、職場や家庭を含めた自分の周りに多くの人がいるのに「私は一人だ」と思うことに孤独を感じるといいます。無人島で一人になれば、必然的に「いかに一人で生きていけるか」にエネルギーが向くのですが、集団の中にいると「いかに集団から切り離されないか」にエネルギーが向いてしまい、周りの人との人間関係を保つために無理に人に気を遣ったり、「寂しい人と思われるんではないか」と不安になって、無理に新しい人間関係をつくったりしてしまうのです。

私たちは大人になれば基本的に孤独です。子供のころは先生が勉強を教えてくれたり、親が生活のサポートをしてくれたりしたかもしれませんが、大人になれば勉強するのも、仕事を覚えるのも、落ち込んだ気持ちを立て直すのも、すべて自分です。人に頼ったり人に依存していることをエネルギーにするのではなく、一人を楽しんだり、「自分でやるしかない」という考えをエネルギーにすれば人生は変わってくると思います。このように、一人でいることをエネルギーに変えていく力が「孤独力」なのです。

また、「孤独力」に優れている人は自分一人の時間を大切にするのと同時に、他の人の一人の時間を大切にするので、他人のプライバシーに踏み込んで、その人との人間関係を壊したりすることはありません。逆に、自分一人の時間を大切にしない人、自分一人の時間を楽しめない人は他の人の時間も大切にしないので、他の人との人間関係がうまくいかないこともあるのです。これからは、「孤独力」を高めることで自分一人の時間を楽しみながら、他の人の時間も大切にしましょう。

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