第27回『相手の名前を呼ぶ』

みなさん、こんにちは。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。
今回も職場の人間関係ストレスを軽減するために自分の「コミュニケーション力をアップする」具体的方法についてお話しします。

私が企業のコミュニケーション研修で行うグループワークで「私とあなた」というワークがあります。
まずは全員が胸にネームバッチを付けてもらいます。
できればニックネームがいいでしょう。
5~8名くらいで輪になって、起点の一人が「私キティ、あなたミッフィーさん」と自分のニックネームと左隣の人のニックネームを呼びます。
次に、左隣の人は「キティさんありがとう、私ミッフィー、あなたスヌーピーさん」と左隣の人につないで時計回りで回していきます。
2周ほどしたら今度は逆周りにします。ワークが終わってからグループで気づいたことを話し合ってもらうと、多くの人が「名前を呼ばれると気持ちがいい」「名前を呼ぶことは重要だ」ということに気づきます。

みなさんは人と会話をするときに相手の名前を呼んでいますか。
名前を呼ぶことに気をつけるだけで相手とのコミュニケーションや人間関係が変わってきます。
また、名前を上手に使って人の心を動かした面白い例として、新田次郎の小説「富士山頂」に次のような話が載っています。

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富士山に気象観測レーダーを建設している時、工事の進行が遅れてしまった。
このまま では予定された期日に間に合わなくなると考えた現場の責任者は、上司に「作業員全員 の名前を観測塔の壁の銘板に刻んでください」と進言した。
上司がこれを認め、自分たち の名前が永久に残ると知った作業員たちは、俄然やる気に燃え、予定どおりにレーダー は完成したという。
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自分の名前が記憶されるということが、どれほど大きな動機づけになるかがこのエピソードによく表われています。
人の名前は、単なる固有名詞ではなく、その人の人間的要素であり人格なのです。
だから、相手の名前を呼ぶことは相手の喜びと感動を生み出す一方で、相手に対する重要感を表現し、相手の行動や言動に責任感を持たせることにつながります。
つまり、名前を呼ぶということを上手に使うことによって、相手の行動や言動をコントロールすることができ、良い人間関係を築いていくことができるのです。

人間関係で大切なことは、人に認められたいと思うなら、まずは相手を認めてあげるということです。
みなさんもぜひ相手の名前を呼ぶことにチャレンジしてみてください。
きっと周りの人との人間関係がよくなって、今よりストレスが少ない生活を送ることができますよ。

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