第107回「アンガーマネジメント(2)」(2016.6.14掲載)

みなさん、こんにちは。株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。今回もイライラや怒りをうまくコントロールしてストレスを軽減する「アンガーマネジメント」についてお話ししていきます。

みなさんは仕事や生活の中で、自分の思い通りにいかないことに対してイライラすることはないでしょうか。そして、それが重なることでストレスを感じていないでしょうか。イライラすることは誰にもあるでしょうが、それが多くなると、仕事や生活が楽しくなくなったり、つらく思えるようになってきます。でも、ちょっとした考え方を変えることで、この「イライラ」を少なくすることができます。

たとえば、あなたが朝の通勤時に駅の通路で前に歩いている人が歩きながら携帯電話を操作している「歩きスマホ」をしていたらどう思うでしょうか。「あぶないだろう」「もっと早く歩けよ」「常識のない奴だな」などと思ってイライラするかもしれません。もしかしたら、その人に「歩きスマホはやめなさいよ」と言ってしまうかもしれません。でも、ここで少し考えてください。もし、あなたが歩きスマホにイライラするので「もう二度と見たくない」と思っても、それを実現するためには日本にいる歩きスマホをしている人全員に注意をするか、全国の駅で「歩きスマホを止めましょう」と街宣活動をし続けない限りは無理でしょう。

この世の中には変えられることと変えられないことがあります。変えられることにイライラするのは、その状況が改善されればイライラは減るのでしょうが、この「歩きスマホ」のような変えられないことにイライラしても、そのイライラは減りません。だから、変えられないことにイライラしても無駄なのです。イライラしやすい人は、変えられないことを「もしかしたら変えられるんじゃないか」と考えるクセを持っています。そのようなクセから、イライラしやすい人は変えられることに加えて、変えられないことにもイライラしているのでイライラがなかなか減らないのです。

人は天候にはあまりイライラしません。なぜかというと、「天候は変えられない」ということがわかっているからです。だから、台風が来たら「台風をいかにしのぐか」を考えます。気温が35℃ぐらいの暑さのときは「少しでも涼しく感じるためにはどうするか」を考えます。つまり、変えられないことはイライラしても無駄なので、その状況をいかに少しでも快適にしのいでいくかという対処法を考えることがイライラを少なくするコツなのです。

変えられないことに対して、うまく対処をしてイライラを解消した例を紹介します。あるビルの管理会社が新しく完成したオフィスビルの管理をすることになりました。オープンしてからすぐにビルのテナントに入っている会社から、その管理会社に複数の苦情が来ました。そのビルにはエレベーターが二基あるのですが、その苦情は「エレベーターが全然来ない」というもので、それが毎日のように届きました。「エレベーターを増やしてほしい」「エレベーターの速度を上げてほしい」という要望が多かったのですが、それは物理的に変えられません。

そこで、そのビル管理会社は苦情を言ってくる人のイライラを減らすためにあることをしました。そうしたら、苦情はどんどん減っていったのです。何をしたのか。各階のエレベーターホールの壁に姿見の鏡を設置したのです。それ以来、エレベーターを待つ人がその鏡で身だしなみを整えたり、化粧を確認したりし始めました。まさに、変えられないことに対して、その状況をいかにしのぐかという対処をしてイライラを減らした好事例です。

みなさんも車で渋滞したときや電車が止まってしまったときにイライラするのではなく、「これは変えられないことだ」と認識して、それをしのぐために「ゆっくり音楽を聴く」「体操をしてリラックスをする」などの対処法をやってみて、イライラを少なくしてみましょう。

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