第21回『ストレス日記』

みなさん、こんにちは。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。
さて、今回はストレス耐性(メンタルタフネス)を高めていく方法として「ストレス日記」をご紹介します。

「ストレス日記」のやり方は簡単です。
何か嫌なことが発生したとき、ネガティブなつぶやきや愚痴をその日のうちに日記に書き込みます。
事実(たとえばミスをして上司におこられた)を簡単に記述して、そのときのマイナスの気持ちを(最高に耐え難い時を100点満点として)何点ぐらいかを記載しておきます。
たとえば「悲しみ95点、怒り90点」というように記録しておくのです。
そして、数日経ってから、この日記を見直してみます。

大抵は振り返ってみれば大袈裟であったり、悲観的になりすぎていた自分を発見できます。
そして、その自らの感情や考え方を見直した上で、点数をあらためて「悲しみは70点、怒りは50点」などと付け直して記入してみます。
他人になったつもりで、その日記を書いた自分の考え方を客観的に見直してみるのです。
それにより、「自分は実はこんな風にとらえていたんだ」「気づかなかったけど、そういう理由であの一言に過敏に反応しちゃったんだな~」など、いろいろなストレスに対する自分の考え方のクセや偏りに気づくでしょう。

このような日記を継続することによって、ストレスとなる要因やショックな出来事も事前に頭の中で受け止めるトレーニングができます。
そして、喜怒哀楽のパターンを自分で客観的にとらえて、ストレスにならないような振り分けを頭の中で行って、事態により冷静に対処できる「思考のクセ」を身に付けることができるようになるのです。
個人のストレス耐性(メンタルタフネス)を高めるにはとても効果的な方法です。

この方法は専門的には「認知行動療法」といって、うつ病の治療などにも使われています。
たとえば、仕事に熱中するタイプの人が仕事をがんばりすぎてうつ病になったとします。
その人が薬物療法と休養により元気になって職場復帰をしても、また仕事に熱中してがんばりすぎてしまうと、うつ病が再発する可能性があります。
そこで、数回のカウンセリングを行なうことによって、本人に「仕事はがんばらなくてもいいんだ」という思考のクセをつけさせる治療法が「認知行動療法」です。

とにかく、日記を書くことで自分のこころにたまっていた感情を吐き出すことができて気分がスッキリする効果と、それに加えて自分の考え方の悪いクセを直すことができる効果があるのです。
最近は個人でブログを開設して日記代わりにしている人や「ツイッター」でつぶやきをしているも多いでしょうが、それで代用していただいても結構です。
ぜひ「ストレス日記」をお試しください。

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