第7回『ストレスのしくみ』

みなさん、こんにちは。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントのキティこうぞうです。
さて、今回は私たちが感じるストレスのしくみについてお話をさせていただきます。

人間はこころの健康が保てなくなってくると体にたまってくるものがあります。
それがストレスです。
ストレスという言葉はもともと物理学の用語です。
物理学で「ゆがみ」とか「ひずみ」という意味です。
みなさん、人差し指で自分のほっぺたを押してください。
へこみますよね。
そのへこんだ状態を物理学でストレスというのです。
つまり、物体に力が加わることによって、その物体がゆがんだりひずんだりすることを物理学でストレスというのです。

このストレスという言葉をはじめて医学用語として使ったのがカナダの生理学者ハンス・セリエ博士です。
彼は学会で「ストレス学説」を発表しました。
それにより、ストレスという言葉をお医者さんが使うようになったため、私たちはストレスという言葉を耳にするようになったのです。
セリエ博士はこの「ストレス学説」でノーベル賞を受賞しています。

では、セリエ博士はストレスをどんな意味で医学用語として使ったのか。
さきほどの人差し指がストレスの原因となるもの、たとえば仕事の疲れや職場の人間関係や将来に対する不安など、これをストレッサーといいます。
このストレッサーがさきほどのほっぺた(これは人間のこころです)を刺激して、人間のこころがゆがんだりひずんだりすることをセリエ博士はストレスと呼びました。
つまり、ストレッサーが私たちのこころに刺激を与えて、こころがへこんでしまった状態をストレスというのです。

人間はストレッサーによってこころに刺激を受けると、まずは過去の経験や記憶からそのストレッサーがどれくらいの刺激なのかを脳が評価します。
そして、その刺激情報により「不安、怒り、悲しみ」などの感情を引き起こします。
さらに、その感情の興奮がストレッサーに対処するための何らかの行動を引き起こすのです。
これがストレス反応と呼ばれるものです。

私たちはストレッサーのことをストレス要因、ストレス反応のことをストレス状態と呼んだりすることもありますが、これらを総称してストレスと呼ぶことが多いようです。
「ストレスが多い」といった場合はストレッサーが多いことを、「ストレスがたまっている」といった場合はストレス反応が蓄積していることを表すように、一般的にはあまり言葉の区別がないようです。

さて、私たちがこころの健康を保っていくためには、このストレスへの対策をしていかなければなりません。
具体的なストレス対処法は次回からお伝えしていきます。

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