2012年最初の明日知恵塾は、例年と同じくコミュニケーション能力がテーマ。まずはゲームで、コミュニケーションの難しさを実感するところから始まりました。
アイスブレイク
グループの一人が道案内役になって、“言葉だけ”で、最寄駅から家までの道をメンバーに伝える。
メンバーは、案内役の言葉を頼りに、地図を書く。
たったこれだけのゲームなのに、できあがる地図はバラバラ。自分のイメージが思った以上に伝わっていないことを、学生も組合員も痛感していました。皆さんもぜひ挑戦してみてください。
そんな中で始まったディスカッションでは、コミュニケーション不足にまつわる失敗談が続出。
- 飲食店のアルバイトでお客様の予約日を間違えた!
- 友達の言う「安いランチ」は、自分には安くなかった!
- ハチ公改札で待ち合わせたら、別々の出口で40分待ってた!
- 指示したつもりが、まったく違う伝わり方をしていた!
などなど、仕事もプライベートも、すれ違いの連続。「思いこみ」や「先入観」による、確認不足が主な原因のようです。
でもビジネスの世界では、わずかな伝達ミスが大きな問題につながることも。組合員の皆さんは自らの失敗談を振り返り、コミュニケーションのミスを起こさないための貴重なアドバイスを学生に送っていました。
- メモをとって文字に残そう。正確に伝わるし、議事録にもなり、日付があれば振り返りもできる。
- 繰り返し確認しよう。名前や数字など、大切な情報は必ず復唱しよう。
- 表情や声色のわからないメールは、悪い印象も与えやすい。感情を伝えるツールにするのはやめよう。
- 伝えたつもりは危険。大事なメールを送った後は、電話で一言伝えよう。
- 人から人への伝言は、自分の言葉で伝えよう。
「伝えたようで伝わっていないこと」を前提にして念入りに確認することが、正確なコミュニケーションの始まり。まめな報・連・相は社会人としての基本です。しかし司会を務めた藤村博之教授(法政大学大学院)は、こう言います。
「仕事でコミュニケーション能力が求められるのは、職場内での迅速な情報共有が、組織で働くうえでは大切だからです。みんなで仕事をする。お互いにカバーし合う。日頃からコミュニケーションがとれていれば、いざというときに助け合えるはずなのですが、今はそれができていない職場も多いのです」
明日知恵塾に参加してくれた学生の皆さんが、この経験を通してコミュニケーション能力の高い社会人になってくれたら、嬉しいですね。